※この内容は、研究所が立ち上がる前の研究員個人ブログのアーカイブです
かぶせないための7つの法則とは次の7つです
1、問題は解決しなくていいい
2、相手のことはわからなくていい
3、「正しい」と思うことをするな
4、人は変わらなくてもいい
5、反省をしないこと
6、「願い」も「望み」も持つな
7、あなたの防衛本能をとれ
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法則その4
「人は変らなくていい」 第1話
(自分を変えなくてもいい)
「今回の責任者はXさんに決まりました」
「えっ?私じゃない・・・・。私は選ばれなかったんだ・・・・・」
D子は内心の大きなショックが表情に出ないよう気を付けながらも、言葉にはならないくらいの打撃を感じていました。
「なぜ、私じゃないの・・・・?」その思いとともに、D子の心の中にはみるみるXに対して、言いようのない嫉妬の気持ちが湧いてくるのでした。
D子は「おめでとう。良かったね!」そう笑って言いながらも、そっと唇をかみしめるのでした。
D子は、幼少期から、人間は成長をし、人格を磨く努力が大切だと思ってきました。
努力をして頑張り、立派な人間になることこそ、大切なことだと思ってきました。
その考え通り、D子は勉強も運動も仕事も一生懸命努力をしてきました。
だから、努力をしないでのほほんとしている人の気持ちがわかりませんでした。
人生では努力こそが成功の秘訣だと思っていました。
努力を怠る人間は、堕落をして人生の落後者になると、そう心の奥では思っていました。
人生は成功するためにあるもの。
だから、失敗は許されないと思っていました。
「何が何でも、石にかじりついてでもやり切る」それがD子のモットーでした。
目の前に目標があると、何が何でもやり切り、実績を出しました。
そのための自己犠牲は当たり前だと思っていました。
自分の理想の人物像を描き、その人物像に近づくための努力を怠らず、自分の怠け心を許さない人生を生きてきました。
そして、学校もそれなりの学校を出て、就職もそれなりの会社に入り、自他共に認める順調な人生を送ってきたつもりです。
そんなD子ですから、勿論、仕事でも成果を出し、それなりの評価を得てきました。
そしてまわりに認められること。
それこそがD子にとっての人生の成功です。
まわりに認められること。
それこそがD子にとっての人生の成功です。
そんな職場で、会社の肝いりで新しいプロジェクトが始まりました。
それは、D子が最も関心があることであり、やりたいものでもありました。
勿論、そのリーダーの候補にD子の名前が出ている事は知っていました。
ですから、D子も仕事にさらに励みました。
そして、実績で圧倒的な差をつけるべく努力を重ねました。
D子は自分がプロジェクトを当然任されるだろうと思っていました。
ところが、実際に決まったのはXでした。
どう見ても、彼女がリーダータイプだとは思えません。
Xは、我慢もせず努力もせず、自分のやりたいように好き勝手にやっているのに、ただ運がいいだけの人にだというように、D子の目には映っていました。
努力もせず評価を得てきているXに、常日頃から「何か違うんではないのか・・・・」という、割り切れない忸怩(じくじ)たる思いにも駆られていました。
そんな時、よりにもよって、新しいプロジェクトリーダーにXが決まったというのです。
自分を押しのけてのリーダです。
「よりにもよって、Xに決まった・・・・。」
どうしても納得がいかないD子です。
なにか、自分のものを横取りされたような、そんな気持ちが出てくるのでした。
彼女のように我慢もせずやりたい事をやり、欲しいものはどんどん手に入れていく・・・・。
それに比べ、自分はどれほど我慢して自分を犠牲にしてきたことか・・・。
それを思うと、どうしても悔しい気持ちが出てくるのでした。
その自分の中から出てくる気持ちに、D子は苦しんでいました。
私は認められなかったってことなの?
こんなに頑張ってきたのに・・・・・・。
こんなに一生懸命やってきたのに・・・・・・。
誰よりも努力して生きてきたのに・・・・・・・。」
ひとりになると、何ともいえない、誰にもわかってもらえない心が出てきて、涙が出てきます。
選ばれなかったということが、まるで自分は駄目な人間なんだと、全世界から否定されたように思えます。
目の前に広がる景色も、その瞬間から、色のあせた映画のフイルムのようにD子には感じられるのでした。
D子は、何をやっても全く楽しくない。
生きていること自体がめんどうな気持ちです。
すっかり自信も無くなり、
あんなに楽しみにしていたプロジェクトにもやる気が出てきません。
自分は誰にも求められていない。
自分はいてもいなくていい人間なんだ・・・・。
そんな風にさえ思えてきて、心が沈んできます。
「あーあ、いっそ会社を辞めてしまいたい・・・・。」
「もう誰にも会いたくない」
どんどん気持ちは沈んできます。
そんな自分を自分が責めます。
絶望感に浸っているD子。
自分を責め、会社を責め、上司を責め、同僚に対しても責める気持ちが出てきます。
何より、そんな気持ちに振り回されて、誰よりも自分自身が苦しくて、苦しくて仕方がありません。
身の置き所が無いほどです。
そんな時、友達からあるセミナーに誘われました。
それは、佐藤康行という人のセミナーでした。
わらにもすがる思いで、D子はそのセミナーに出ました。
そして、自分の身に起きた出来事を、佐藤先生に訊ねたのでした。
佐藤康行は、今までD子がどこでも聞いたことのない、D子の人生にはあり得ない内容の話をしてくれました。
そして、D子はその佐藤康行の話で、瞬時に生き返り人生観が変わってしまったのでした。
~佐藤康行の話~
D子さん。
それは辛かったですね。
でも、一番いい時に私に出会いましたよ。
そして、今こそD子さんにとって、一番いい時かもしれませんよ。
D子さんにはD子さんのポジションがあります。
D子さんは今のままで何も変えようとしなくてもいいのですよ。
そして、一番力が発揮できることをやる
その流れが一番いいことなのです
それをゆっくり今日はお話を聞きながらゆっくり一緒に考えていきましょう。
適材適所。
D子さんはそのまま生きていって光る場所がある。
私はそう思っているのです。
あのね、私はね、何回も言うけど、D子さんにどこかを直しなさいと言う話をしてるのではないのです。
全然違うのです。
まずは、一つはD子さんの最も生きる方法でやるということ
二つ目は、私が今日お話しした「マジックミラーの法則」
あの一点やっていればいい、あれを理解すればいいんです。
この二つなのです。
だから、D子さんに直してほしい、そういうことを言いたいのではないのです。それじゃ、D子さんの個性が死んじゃうじゃない。
全然、そんな話じゃないのですよ。
私はむしろ直してほしくないと思って言っているのです。
直してほしくない、変わっているけど実は本気でそう思っているのです。
D子さんの性格、私は好きなんです。
D子さんは「自分を変えなければならない」と思っているのですね。
あ、それだ。
自分が思っていることが相手にでちゃうんです。
「自分は駄目だ」と。
「自分を何とかしようとしている」
それが相手に反映しているのです。
だから、まわりの人は、D子さんに「変れ」と言われているように感じているのかもしれませんね。
「それじゃ、駄目だよ」と否定されているように感じているかもしれませんね。
それは必要ないのです。
何とかしない、何とかしなくてもいい。
何とかしなくてもいいどころか、そこをやっていけばいいのです。
D子さんが光るところ。
それは我慢をしたり、頑張ったりしなくてもいい時のことなのです。
それこそまさに適材適所。
D子さんはD子さんのままでいいわけ。
だからそこに焦点を合わせることなのです。
今こそそうだとまず焦点を合わせて、その一点をやっていくことです。
個人をやるのではないのです。
全体をやる
私の場合はひとりが世界だと思ってやっているのです。
だから、問題を抱えている人がいたとしても、個人の問題として扱わないのです。
全体の問題、社会の問題として話をするのです。
決して個人の話にしないのです。
私の場合はね。
佐藤康行のやっているのは人類全体のことをやっているんであって、個々人がどうとかというのではないのです。
だから、個人の問題じゃなくて、イコール世界の問題と受け止めているのです。
今回のYSメンタルヘルス、あれは全部人類の問題なのです。
まさにあれは、神が動かしている技をやっているのです。
これは誰かの策略とか、
誰かの陰謀とか、
誰かの考えで鮭の大群を動かしているのではないのです。
人間は誰もやっていない。
人間がやっていないことをやろうとしている。
だから、私の動きは人間ではないのです。
人間が誰かの陰謀だとか、そういうことで計画したのではないのです。
それによって動かされている、「どうぞ私を自由に使ってください」
そんな気持ちでやっているのです。
こんな時だからこそ、だからそこで自分の考えが出たら、それは浮いて来てしまうわけ。