今日は、息子の会社で起きた出来事をご紹介いたします。
50歳代の夫婦の奥さんが、ある日突然ALSに罹患されました。
上の息子は、現在引きこもり中です。
下の弟は、高校生で学校に通っています。
母親はのどを気切し呼吸器を装着、ベッドに寝たっきり状態です。
従って、母親には24時間介護が必要となっています。
介護者不足の現在、常に介護の人数揃えに苦慮しながら日々を送っていらっしゃいます。
夫は家族の生活もあり、仕事を辞めて介護をすることが出来ません。
夜間などの介護が人不足になると、仕事から帰ってからの夜中じゅうの介護は、体がもちません。
いつもいつも、介護者を集めることにヒヤヒヤしながらの生活です。
今回、息子の会社で、そのご家族の相談を受けました。
息子が提案したのは、このような事でした。
引きこもりの息子さんが中心となって、母親の介護のチームを作る。
そして、引きこもりの息子さんが、母親の介護の傍ら介護士資格を取得し、母親の介護で収入を得ていく。
そのためには二つの事を、引きこもりの息子さんがしなければなりません。
一つは、介護士の資格を取得する事です。
そのためには、週に二日間介護の学校に出かけ、スクーリングを受けなければなりません。
もう一つは、国の制度上、同居の家族には国からお金が出ません。
ですので、別居して、違う住まいを持たねばならない。
家族会議が開かれました。
この会議の日、そのご自宅にお邪魔すると、なんと!
引きこもりのはずの息子さんが、玄関まで出迎えてに来てくれたとのことです。
息子の会社の提案には、勿論、両親は大賛成です。
あとは引きこもりの息子さんの気持ちです。
引きこもりの息子さんは「やりたい」と言ったのだそうです。
しかし「自信がない」とも言ったのだそうです。
さらには「でもチャレンジしてみたい」とも言ったのだそうです。
幸い、実家の近くに、母親の実家の使っていない家もあるとのこと。
条件は全部揃いました。
息子の会社で、全面、引きこもりの息子さんをバックアップすることとなりました。
この世でどんなに成功した人でも、
どんなにお金も持っていようが、
ALSという病気になった途端、人生が全く変わってしまいます。
引きこもりの彼が、介護士として出発することが出来たとしたら、きっと彼の引きこもったという経験が、多くの難病の方の心を救っていくことになるでしょう。
彼はきっと引きこもりになって良かった。
お母さんがALSになってくれたという、肉体を超えた、その真我の愛にも、大きく目覚めていくことでしょう。