私の宗教時代からの友人の話です。
この友人は、同じ宗教をやっていた女性と結婚し、大変円満に暮らしていました。
彼の家族も彼女の家族も皆「幸福の科学」の信者でした。
ふたりは喧嘩することも無く、言い争うこともない、誰から見ても非の打ち所の無い、人も羨む「理想の夫婦」でした。
まさに、幸福の科学の教えそのものの夫婦だったといえます。本人たちも多分、教えのとおりのユートピア夫婦を目指していたに違いありません。
事実、「自分たちには何の問題も無い」と言っても言っておりました。
私は幸福の科学を辞めてから、多少の違和感を感じてはいました。
それは、夫婦として一緒に暮らして喧嘩がないなんて、本当にそんな事ってあるんだろうか・・・。奥さんは我慢しているんじゃないかな。
その友人と奥さんの背景をお話します。
友人は結婚後しばらくして、仕事で転勤になりました。
当時、二人には1歳になるかならないかの息子がいて、彼の両親の家近くのアパートで暮らしてたのです。
当初は彼女も子供も一緒に転勤すると言う話だったのですが、彼の両親の心配や、当時、幸福の科学ではノストラダムスの予言などで、地震があると言われていたこともあり、当時の宗教の方のアドバイスもあり、彼の両親の家に奥さんと息子を同居させ、彼一人での単身赴任となったのです。
それから、彼の単身赴任は10年を越すことになります。
その間、奥さんは文句ひとつ言わず、彼のご両親と息子ふたりの生活をしていた訳です。
ですから、回りからしたら「なんと素晴らしい奥さんなんだ」と言うことになる訳です。
彼は月に1度くらいの行ったり来たりの生活で、ほとんど家の事は彼女任せにしていたわけです。
ちなみに、幸福の科学の婦人部の考え方に、「お役に立つ」と言う考え方があります。
要は、地方の責任者は教祖の代理であり、この責任者の役に立つと言う事は、教祖の役に立つと言うことであり、教祖の言う救済のためには、多くの人を伝道し、献金を進め、本を配る、それこそが「お役に立つ」と言うことになる訳です。
その、「お役にたつ」思想が、彼女の思想の根幹にあったようで、「私は主人のお役にたてているのだろうか」とか「主人のお役に立つことが私の仕事」とかをよく言っていたことを思い出します。
彼女は自分の心にフタをして、「主人のお役に立つには、ここで両親と暮らすことなんだ」と思っていただろうし、「使命を果たしている主人の邪魔になってはいけない」と、いつも自分の心を押し込めていた気がします。
彼女の表情は仮面のようになり、表情があまり変わると言うことがなくなってきているのですが、それにさえ、近くにいた人は気づかずにいました。
そんな中、彼は仕事上と人間関係で悩みを持つようになります。
どちらかというと、今まで仕事も人間関係も家庭も、何の問題も無く順風万班できていた彼にとっては、逆境はかなり苦しかったようで、自己否定と被害者意識で自分を裁き人を裁く気持ちの中で、ぎりぎりのときに「真我開発講座」を受講し、自分の中に光を見出し始めていたときでした。
そんな時、夫婦で「心の学校創始者、佐藤康行学長」のソウルメイトという夫婦を扱った講座に参加したのです。
その講座以来、少しずつ少しずつ二人の関係に変化がおとずれてきて、強い絆が出来始め、ほとんどうわべだった会話も本音で話せるようになってきたのです。
そんな時、彼は彼女の心の奥に押し込んだものがあると感じたようで、このままだと彼女は苦しみの中から抜け出せなくなってしむのではないかと、佐藤学長に面談していただくことになったわけです。
学長はまずはお互い本音を言うことが大切ということで、「カルマ鏡」をやるよう言われました。
要は、悪口でも何でもいいからお互い本音を言い合いなさいと言うことだったらしいのです。
長い間、宗教の価値観で本音を抑えてきた彼女には、本音と言われても何を話していいのか、わからなかったようです。
彼が「本当は辛い事や、俺に言いたいことがあるんじゃないのか？」というと、「何をどういったらいいのかわからない」と言いながら、彼女はポロポロ涙を流したといいます。
そうして、二人は何度も何度も本音を言い合うワークを繰り返しました。
やっと、ふたりは少しずつ少しずつ、自分の心をアウトプットできるようになっていきました。
これから、劇的に二人は変化していきますが、その話は次回にいたします。
